オスガズムWキャスト~本田莉子・春原未来

男性のアナル(前立腺)を責めるAVというのは、今時さほど珍しいモノではない。

だが、精囊(せいのう)、射精管、S字結腸……と耳慣れない部位にも次々と絶頂ポイントを発掘し、なおかつ男性がイキ狂って悲鳴をあげても容赦なく責め続けるAVというのは、なかなか希少だろう。

真咲南朋監督が生み出す『オスガズム』シリーズは、まさにそんなアナル厳しいというかアナル真面目な作品なのだが、その高いクオリティを支えているのは、技術指導で参加するアナル開発研究家・遥美沙樹先生によるところが大きい。

シリーズ第一作目では前立腺のさらに奥にある精囊を刺激することによって、男性をまるで女性のポルチオイキのような、終わりのない激しい絶頂に導いてみせた。これだけでも十分世に衝撃を与えていたのだが、それからシリーズを重ねるごとにアナル絶頂ポイントはどんどん増えていき、本作ではなんと12カ所まで発見されている。ここまでくると、もはや女性の膣の快感なんか完全に越えているのでは……というかんじで、大変ワクワクさせられるとともに、ちょっとした悔しさもある。「女(膣)のほうがSEXの快感は数段上」なんて世間では言われているけど、結局男のほうがすんごいお宝(アナル)持ってんじゃん! っていう。

そんなわけで少々マニアックな内容ではある本作だが、それを良い意味で和らげてとっつきやすいモノにしているのが、主演女優のふたりである。現在は残念ながら引退してしまったが、その美貌とひょうきんおとぼけキャラのギャップで人気を博した本田莉子。そして彼女とプライベートでも大の仲良しである、これまた押しも押されぬ実力派人気女優の春原未来。美しさ、演技力、エロさ、AVに対する情熱……これらすべてを兼ねそろえた人気女優ペアなので、もうこのキャスティングだけでもテンションガン上がり。しかもこのふたりのコンビネーションが本当にすばらしく、阿吽の呼吸とはまさにこのことか……! と思わずうならされた。

たとえばはじめに、ふたりが応募者の男性たちを集団面接してそれぞれが自分の相手を選ぶシーンがあるのだが、まだ莉子が決める前から春原は彼女が気になっている男性をズバリ言い当てている。最終的に莉子は春原ファンの童貞男子を選ぶのだが、それについても春原は「コテンパンにしてやろう、って思ってるんだろうな。なんなら(自分に)乗り換えさせよう、みたいな」と莉子の心中をズバリ指摘。それに対し莉子も「人のモノを取ってやろう、みたいなかんじ」となかなかイヤラシいことをサラリと言うのだが、こういう会話が軽いノリでできちゃうのも、ふたりの間に深い信頼関係があるからこそ。まだ何も始まってはいないのだが、この掛け合いだけでもふたりの絆が垣間みられて、ついキュンキュンきてしまった。ある意味本作は、男を介することで見えてくるふたりの関係性こそが肝なのだと言えよう。

第1パートは真面目で礼儀正しい28歳童貞×春原、第2パートは春原ファンの最年少童貞×莉子、第3パートは物静かな28歳男子×春原莉子ペア、ラストは過去のオスガズムで春原にアナルフィストされた男性×春原莉子ペア……と全4パートで構成されている本篇。どのパートも男性たちがアナルでガチイキし続け、獣のように喘ぎ狂う姿が観る者の胸を打つのであるが、やはり圧倒的に印象に残るのは第2パートである。

先に述べたように「春原ファンを奪ってやろう」という企みを持つ莉子に、他ならぬ春原自身が協力して、ちょっとした罠を彼に仕掛ける。まず最初は春原が登場し、「本当に初めての相手が私で大丈夫かな?」なんてしおらしいことを言って、彼をメロメロにしてしまう。そしてそのまま自然な流れで、「私も経験あるんだけど、五感のひとつを遮断すると、普通にするよりもっと気持ち良いんだよ」と言って、彼に目隠しをつけてしまう。そのあいだに春原は莉子と入れ替わるが、声だけは春原が発し続ける、というものだ。

こうして文章にすると非常に単純な作戦ではあるが、春原の高度な演技力と女優ふたりの見事なコンビネーションにより、まんまと騙されてしまう童貞くん。莉子に騎乗位で童貞を奪われた直後に、彼女自身の種明かしによってやっと真相を知るものの、もはや欲望が止まらない彼はそのままSEXを続行。「あれ、春原がいいってずっと言ってたよね」「いま春原に代わって欲しいって言うんなら、代わってあげてもいいよ」とチクチク虐め続ける莉子に、「イジワル……」と恨みがましく呟きながらも、どんどん彼女に魅了されていく。

しかし莉子とのアナルプレイの真っただ中に、またもや春原が再登場!「私の作品観てたとか言ってたくせに、本当は誰でも良かったんだね」と童貞くんに怒りのビンタを喰らわせ、莉子と競い合いながらふたりで彼を責めていく展開に。いやはやコレは、真咲作品の大きなテーマである「嫉妬」のひとつの完成形だと言っても過言ではないだろう。

男のアナルの奥深さ、女同士の絆、嫉妬、そして本気のぶつかり合いSEX。それぞれの要素が高濃度で凝縮された本作は、さまざまな角度から観る者の心を強烈に揺さぶっていく。たとえ男のアナルに興味がない人でも、何かしら心の琴線に触れるものがあることは間違いないだろう。

オスガズムWキャスト~本田莉子・春原未来

文=まな
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